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2013/10/06

【書籍】日本人には読ませたくない!?『ザ・ゴール』の翻訳本が出版されなかった理由


TOC(制約理論)をご存知だろうか。

「ザ・ゴール」は、TOCについて書かれた最初の書籍である。
内容は小説形式となっており、非常に読みやすく、海外ではベストセラーとなっている。

この本、日本語翻訳本が出版されたのは、海外で出版(1984年)されてから実に15年後(2001年)となっているのをご存知だろうか。

■ダイヤモンド社書籍オンライン

■「日本人には読ませたくない!?アメリカを復活させたビジネス書の金字塔」



以下引用。

もっとも、1984年に米国で出版された後、長らく日本語版の刊行は許可されませんでした。その理由については、博士をして「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る」などと言わしめました。
この本の著者である 故ゴールド・ラット博士は、この本を日本に紹介すると、日本が勝ってしまうという危機感を抱いていたのだ。

その本が、日本で出版可能になったのは、「翻訳版を出版しても、現状の日本では世界経済に影響を与える事ができない。むしろこの本で勉強すべき」という事を意味している。

ゴール・ドラット博士が生み出した「TOC」という思考プロセスは、日本人である大野耐一氏が生み出した「トヨタ生産方式」が下敷きとなっている。
つまり、本人が生み出した手法を、逆輸入しているといっても過言ではないだろう。

我々日本人は、この事実を真摯に受け止め、この本に書かれている事を読み、次にどうすべきか考えるべきなのではないだろうか。


この本のターゲットはプラントマネージャーとなっている。

主人公は、とある企業のプラントマネージャーで、「3ヶ月以内に利益を出さなければ工場を閉鎖する」という無理難題を押し付けられるも、工場の仲間達と共にTOCを用いて改善に取り組む、といった内容となっている。

主人公の家族も登場し、とてもリアルな仮想現実に引き込まれる内容となっている。
日本でも販売部数100万部を突破しており、一読すると、売れている理由が良く分かる。

「あとがき」に詳細が書かれているが、この本はゴールド・ラット博士の勤める会社で開発した「TOCの概念を取り入れた会計ソフト」の販促を目的としたものであった。

本は爆発的に売れまくったが、肝心の会計ソフトはさっぱり売れず、逆に、会計アプリを使わない方が上手く改善できるという結果が明らかとなってしまう。

その辺りも合わせて読むと、TOCについて更に理解が深まるだろう。


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