ページ

2013/03/24

【書籍】わかりやすいアジャイル開発の教科書



世界最速で「わかりやすいアジャイル開発の教科書」のレビューを執筆させて頂く栄誉を頂いた。

上記のイラストは、著者の前川氏、西河氏がホワイトボードに書いた、イラストの原案。








DATA

  • 「わかりやすいアジャイル開発の教科書」
  • 著者: 前川直也 + 西河誠 + 細谷泰夫
  • 単行本: 320ページ
  • 出版社: ソフトバンククリエイティブ (2013/3/28)
  • ISBN-10: 4797371285
  • ISBN-13: 978-4797371284
  • 発売日: 2013/3/28



本を開くと最初に推薦者からの言葉がズラリと並んでいる。推薦者達も豪華な方々ばかりである。

  • 平鍋健児氏(株式会社チェンジビジョン代表)
  • 萩本順三氏(株式会社匠BusinessPlace代表取締役)
  • 長沢友治氏(日本マイクロソフト エバンジェリスト)
  • 林好一氏(株式会社SRA)
  • 長瀬嘉秀氏(株式会社テクノロジックアート代表取締役)
  • 中村洋氏(DevLOVE関西)
  • 吉羽龍太郎氏(Ryuzee.om)
  • 湯元剛氏(日本ヒューレット・パッカード)
  • 小笠原秀人氏(株式会社東芝)
  • 清水吉男氏(株式会社システムクリエイツ代表取締役)





最初に読んだ感想は、「とても分かりやすい」だった。

人が「新しいこと」を理解するためには、「新しいこと」が目指す目的を理解する必要がある。しかし、それらが不明確だと「分かりにくい」と感じるものである。

この本は、「なぜアジャイルなのか?」「アジャイルの目的は何か?」を、何度も繰り返し説明してくれている。理由が明快だから、分かりやすいのである。






本書は次の4章から構成されている。
下記ページ数をご覧いただければ判る通り、「第3章」が一番分厚い。
  • 第1章 なぜアジャイルなのか?・・・・・・・・・・ 28ページ
  • 第2章 ソフトウェアの価値とはなにか?・・・ 18ページ
  • 第3章 アジャイルを現場に導入しよう ・・・152ページ
  • 第4章 アジャイルを現場に定着させよう・・・66ページ
  • 第5章 アジャイルの本質・・・・・・・・・・・・・・・ 10ページ
本書はおおまかに ①アジャイルとは何か? ②なぜアジャイル必要なのか? ③現場への導入方法 ④現場への定着方法 という流れで構成されている。

アジャイル開発に関する教科書的な書籍はいくつか出版されているが、そのどれもが実践項目(いわゆるプラクティス)の実施方法に終始しており、本質的にもっとも重要な「なぜアジャイルを実施するのか?」といった部分が読み手に伝わらない場合が多い。

これは、「感情」や「マインド」といった、文章化が難しい情報を書ききれなかったためだと推察する。この本の”まえがき”に「本書では、その禁忌(タブー)を破り、アジャイルの秘箱を少しだけ開けてみることに挑戦しました」とある通り、とても困難な作業だったに違いない。

しかし、分かりにくい事柄を、身近な例を使って徹底的に解説することで、「マインド」の部分がとても分かりやすく仕上がっていて、見事禁忌(タブー)を打ち破っているのだ。

加えて、第3章では、技術者が陥りがちな「目的と手段のすり替わり」を回避すべく、「Smiling Adventure」という小問題を用意し、目的をわすれさせない工夫がなされている。

更に、「マインド」だけに留まらず、アジャイル開発プラクティスで重要なコア技術である「TDD」と「リファクタリング」がコード付きで解説されているのだ。ここまで説明されている本は恐らく今まで無かったのではないだろうか。

そして、この本の最大の特徴は、「学びから体験」への手段が用意されている点である。それが第4章「アジャイルを現場に定着させよう」の章である。この章では、「ワークショップ」の実施方法が丁寧に説明されている。第3章で学んだ知識を、第4章のワークショップで実際に体験し、「知っている」から「できる」へ進化させ、アジャイル開発をより確実に成功させよう、という筆者の思惑が見え隠れする。

「マインド」、「プラクティス」、「学びから体験」 これらの3つの要素が揃ったこの本、「パーフェクト・アジャイルテキスト」の名を冠するにふさわしい内容であることは間違いない。





本書のイラストの原案は、著者の前川氏、西河氏がホワイトボードに書いたもので、Githubで公開されている。クリエイティブコモンズライセンスの制約の元、自由に使用することが可能。

■mnishikawaの日記「アジャイル開発の資料作りで役立つイラスト集を公開!」

本書を会社で広める際に、有意義に活用することができる。




■関連記事






0 件のコメント:

コメントを投稿